design

H'n xing co. の空間、色かたち、その世界感とフィロソフィ。

2000年を超えて久しい今日、我々を取り巻く環境は嘗ての映画やアニメで語られたような、見違える世界になったでしょうか。
ある分野ではそうであり、しかし物質として目に映る殆どのものに左程の違いは起きて無いように思います。

現代空間デザイン、特に意匠性に限定しその変遷・転成を考察したとき、設備技術と相関するカテゴリーでは幾つかの大きな変化がありました。
例えば照明。
LED光源の一般化により、それまでのライティング表現に於けるあらゆる制約が刷新されたことはその代表です。

一方で意匠に直結する施工技術・素材環境といった面での変化は、大型建築を別とすれば、進退・表裏一体の変遷であったように感じます。
その一因はプリント技術関連の発展によるフィルム・カバーリング等といった模倣素材の普及です。
これまでに無かった二次元的表現・グラフィカルなデザインを高い汎用性で提供すると同時に、本源的価値の高い自然素材やそのための工法・技術を必要以上に高上なものへと追放してしまいました。
歴史的背景が薄く景観に対するホスピタリティに乏しい我が国の都市部に於いては、その移行を現然と観て取ることが出来ます。

しかし。
しかしそれでもなお、私たちは「新しい」を求めて止みません。
往代の様式や遺産をノスタルジーに身を傾けながら愛し、記憶に残る風景の痕跡を求め普遍性の確認を繰り返す傍らで、これまでに無い新奇・斬新を欲し何かを変えずにはいられない衝動の、その根源。
それは自己実現欲・顕示欲といった短期的なものでありつつ、真には次代により優れたモノを引き継ごうとする原理的本能に近いものでは無いでしょうか。

form the beyond ー まだ視たことのない、その先の想像・創出。

たとえそれが微かな可能性であったとしても、新しい感動を期待し追究し続ける。
自尊に足りる足跡を積み重ね、常により清新な企望を持ってしっかりと進んで行く。
それがクリエイターとして H'n xing co. が考えるプライドの定義です。
既に確立された様式・スタイル・技術、そうしたものを深く理解しリスペクトし、そして同じでは無い「新しい何か」をイメージし辛苦し産み出して行く。
この継続こそが「新しい」以外の意義獲得に繋がり、やがて価値あるクリエーションへと整合してゆくのです。